会長挨拶

 今年度の総会を2019年11月23日・24日に名古屋で開催いたします。名古屋の地での開催は2012年以来となります。ここ名古屋の臨床における特徴を考えたとき、ロールシャッハをはじめとする心理アセスメントの活動が盛んに行われてきたことが挙げられます。そこで今回は、その歴史を背景に、精神療法における対象理解を軸にして進めていくことにいたしました。多くの現場では心理検査をはじめとするアセスメントが行われていますが、ときとして治療との関連があまり積極的になされていない場合も散見されます。

 

 また、対象理解としては、近年、発達障害の診断が積極的に行われ、一般社会でも認知されつつある現状があります。さらに、精神的な問題を抱えた子どもや青年、そして働き盛りや子育て中の母親などの問題も「あり得ること」として行政の施策に反映されたり、マスコミの報道で取り上げられたりすることも多くなってきています。社会からその存在が認知されること自体はひとつの成果ではありますが、診断名だけが広がっていき、単なるカテゴリーと化してしまいかねない懸念が高まっています。これは、専門家の間においても治療技法も含めて同様の傾向があるように感じられます。

 

 そういった現状を踏まえて、今回の大会のテーマを「青年期の理解と支援―アセスメントと精神療法」として、治療につながる理解について再考してみたいと思います。そして、前述の心理検査を中心としたアセスメントの軸に加えて、精神療法による治療方針に深く関与する視点となる病態水準について取り上げたいと思います。

 

 プログラムとしては、永年にわたって心理アセスメントを治療の現場で研究し、後進の育成にあたられてきた森田美弥子先生に特別講演をお願いいたしました。また、病態水準については、前理事長の松本英夫先生に基調講演をお願いし、シンポジウムを企画いたしました。
 

 名古屋駅から至便な会場を確保してお待ちしておりますので、ぜひ多くの先生のご参加をお願い申し上げます。

 

第37回日本青年期精神療法学会総会 会長 川瀬正裕